道路・舗装分野は、1級土木施工管理技士の第一次検定において毎年安定して出題される重要分野です。路床・路盤といった下部構造の品質管理から、アスファルト舗装の混合物・敷きならし・締固め、コンクリート舗装の特性、さらには補修工法まで、出題範囲は広く、用語と数値・基準の正確な理解が問われます。特に「締固め管理(温度・転圧の順序)」「路盤・路床の役割と材料」「補修工法の使い分け」は頻出で、選択肢の正誤を細部の語句で判断させる傾向があります。本記事では本試験の出題形式に沿ったオリジナル予想問題を6問用意し、根拠まで踏み込んで解説します。
頻出テーマ早わかり
まずは道路・舗装分野で繰り返し問われる主要論点を整理します。下表の項目は、選択肢の正誤判断のカギになることが多いので、要点を押さえておきましょう。
| テーマ | 押さえる要点 |
|---|---|
| 路床 | 舗装を支える地盤。設計CBR・支持力(路床の良否が舗装厚に影響)、置換や安定処理で改良 |
| 路盤(上層・下層) | 荷重を分散して路床に伝える。粒度調整砕石(上層)、クラッシャラン(下層)、修正CBRで管理 |
| プライムコート/タックコート | プライム=路盤上面と舗装の馴染み・防水。タック=舗装層相互の接着。アスファルト乳剤を使用 |
| アスファルト混合物 | 骨材・フィラー・アスファルトの配合。マーシャル安定度試験で配合設計 |
| 敷きならし・締固め | 温度管理が要。締固めは継目転圧→初転圧→二次転圧→仕上げ転圧の順。ローラの種類使い分け |
| コンクリート舗装 | 剛性舗装。曲げ強度で設計、目地(収縮・膨張・施工)が必要、養生が長い |
| 補修工法 | 表層・打換え・オーバーレイ・パッチング・切削など。損傷の程度・範囲で選定 |
| 品質管理試験 | 平たん性、締固め度(密度)、すべり抵抗、たわみ(FWD)など |
予想問題(オリジナル四肢択一)
以下は本試験の出題傾向に沿って新規作成した予想問題です。実際の過去問の転載ではありません。各問の問い方(正しいもの/誤っているもの)に注意して取り組んでください。
問1:路床・路盤の役割と材料
アスファルト舗装における路床・路盤に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
- (1) 路床は舗装を支える地盤であり、その支持力の良否は舗装の構成・厚さに影響を与える。
- (2) 上層路盤には粒度調整砕石やセメント・瀝青安定処理材などが用いられ、下層路盤よりも良質な材料が使われる。
- (3) 路盤は上部からの荷重を分散させ、路床に伝える役割をもつ。
- (4) 路床は表層に近いほど大きな荷重を受けるため、路盤よりも常に高い支持力が要求される。
正解:(4)
解説:舗装は上層ほど大きな荷重(応力)を受け、下方に向かうほど荷重が分散・減衰していきます。したがって、最下部の地盤である路床に作用する応力は、その上の路盤よりも小さくなります。(4)は「路床は表層に近い」「路盤よりも常に高い支持力が要求される」という点が逆で、適当ではありません。一般に上層ほど良質で支持力の高い材料が用いられます。(1)は正しく、路床の支持力(設計CBRなどで評価)が舗装の厚さ設計の基礎となります。(2)も正しく、上層路盤には下層路盤より良質な材料を用いるのが原則です。(3)も路盤の基本的な役割として正しい記述です。
問2:プライムコートとタックコート
アスファルト舗装の施工に用いるプライムコートおよびタックコートに関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
- (1) プライムコートは、新たに舗設するアスファルト混合物層と既設の舗装層とを接着させるために施す。
- (2) タックコートは、路盤の上面に散布して路盤と瀝青層との馴染みをよくし、路盤からの水分の浸入を防ぐために施す。
- (3) プライムコートは、路盤の仕上がり面に散布して路盤と上部の瀝青層との馴染みをよくする目的で施す。
- (4) タックコートは、路床面に直接散布して路床の防水と表面保護を目的として施す。
正解:(3)
解説:プライムコートは、路盤の仕上がり面にアスファルト乳剤を散布し、路盤とその上の瀝青層との馴染みをよくするとともに、路盤表面の安定や水分の蒸発・浸入の防止などの役割を果たします。したがって(3)が適当です。一方タックコートは、既設の舗装層と新たに舗設する層、あるいはアスファルト混合物層相互の接着を目的とします。(1)は「プライムコート」と「タックコート」の説明が入れ替わっています。(2)はタックコートの説明としては誤りで、内容はプライムコートに近いものです。(4)もタックコートを路床に直接散布するという点が誤りです。プライム=路盤上面、タック=層相互の接着、と整理して覚えましょう。
問3:アスファルト混合物の締固め
加熱アスファルト混合物の締固めに関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
- (1) 締固め作業は、一般に継目転圧、初転圧、二次転圧、仕上げ転圧の順序で行う。
- (2) 初転圧は、一般にロードローラを用い、敷きならし後の混合物が高温の状態で行う。
- (3) 締固めは混合物の温度が低いほど締固め効果が高まるため、できるだけ温度が下がってから行うのがよい。
- (4) 仕上げ転圧は、ローラ跡(わだち)を消し、平たんに仕上げる目的で行う。
正解:(3)
解説:加熱アスファルト混合物は、温度が高い(軟らかい)状態の方が締固めやすく、所定の密度を得やすくなります。温度が下がりすぎると締固め効果が著しく低下し、所定の締固め度が得られません。よって「温度が低いほど締固め効果が高まる」とする(3)は明らかに誤りで、これが正解です。(1)は締固めの一般的な手順として正しく、継目部の転圧を先に行い、その後初転圧→二次転圧→仕上げ転圧と進めます。(2)も正しく、初転圧は高温時にロードローラで行うのが一般的です。(4)も仕上げ転圧の目的として正しい記述です。締固めは「高温のうちに」が鉄則と覚えましょう。
問4:コンクリート舗装の特徴
コンクリート舗装(剛性舗装)に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
- (1) コンクリート版は剛性が大きく、輪荷重を広い範囲に分散して路盤に伝える。
- (2) コンクリート舗装は、温度変化や乾燥収縮によるひび割れを制御するため、目地を設ける。
- (3) コンクリート版の設計には、一般にコンクリートの曲げ強度が用いられる。
- (4) コンクリート舗装は施工後ただちに交通開放が可能であり、養生をほとんど必要としない。
正解:(4)
解説:コンクリート舗装はコンクリートが所定の強度を発現するまで一定期間の養生を必要とし、アスファルト舗装に比べて交通開放までの期間が長くなるのが一般的です。「施工後ただちに交通開放が可能で養生をほとんど必要としない」とする(4)は誤りで、これが正解です。(1)は正しく、剛性の大きいコンクリート版は荷重を広範囲に分散させて路盤・路床への応力を小さくします。(2)も正しく、収縮目地・膨張目地・施工目地などを設けてひび割れを制御します。(3)も正しく、コンクリート舗装版の設計には曲げ強度(曲げに対する抵抗)が用いられます。アスファルト舗装が「たわみ性舗装」であるのに対し、コンクリート舗装は「剛性舗装」と整理しておきましょう。
問5:舗装の補修工法
アスファルト舗装の補修工法に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
- (1) オーバーレイ工法は、既設舗装の上に新たにアスファルト混合物層を舗設して補修する工法である。
- (2) 打換え工法は、既設舗装を路盤や路床まで含めて撤去し、新たに舗装し直す工法である。
- (3) パッチング工法は、ポットホールやひび割れなどの局部的な損傷部に材料を充填・補修する工法である。
- (4) 切削工法は、構造的に大きく損傷した舗装全体を新設し直すための工法であり、表層のわだちなど局部的な凹凸の処理には用いない。
正解:(4)
解説:切削工法は、路面の凹凸やわだち掘れなどを切削機械で削り取って整正する工法で、オーバーレイの下地処理としても用いられる代表的な補修方法です。「舗装全体を新設し直すための工法で局部的な凹凸処理には用いない」とする(4)は切削工法の本来の役割と異なり、適当ではありません。(1)はオーバーレイ工法の説明として正しく、既設舗装の上に新しい層を重ねます。(2)は打換え工法の説明として正しく、損傷が構造的に大きい場合に路盤・路床まで含めて作り直します。(3)はパッチング工法の説明として正しく、ポットホール等の局部補修に用います。損傷の程度・範囲に応じて、表層の処理(切削・オーバーレイ・パッチング)か、構造全体の作り直し(打換え)かを使い分ける点が重要です。
問6:舗装の品質管理
アスファルト舗装の品質・出来形管理に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
- (1) 締固め度の管理は、舗設後の混合物の密度を測定し、基準密度に対する割合などで評価する。
- (2) アスファルト混合物の配合設計には、一般にマーシャル安定度試験などが用いられる。
- (3) 路面の平たん性は走行性や乗り心地に関わる重要な管理項目であり、所定の方法で測定・評価する。
- (4) すべり抵抗は雨天時のスリップに関係するが、路面の安全性とは無関係なため管理項目には含めない。
正解:(4)
解説:すべり抵抗は、雨天時や凍結時のスリップ防止に直結する路面の安全性に関わる重要な性能で、管理・評価の対象となります。「路面の安全性とは無関係で管理項目に含めない」とする(4)は明らかに誤りで、これが正解です。(1)は正しく、締固め度は密度の測定によって管理します。(2)も正しく、マーシャル安定度試験はアスファルト混合物の配合設計に広く用いられます。(3)も正しく、平たん性は走行性・乗り心地に直結する管理項目です。品質管理は「混合物そのものの品質(配合・温度)」と「舗設後の出来形・性能(密度・平たん性・すべり抵抗)」の両面で行うことを押さえましょう。
暗記ポイント・まとめ表
試験直前の確認に役立つよう、用語・分類を整理します。数値・基準値は出題年度や仕様書によって異なる場合があるため、暗記する際は必ず最新の資料で確認してください。
| 区分 | 用語・分類 | ポイント |
|---|---|---|
| 舗装の種類 | アスファルト舗装/コンクリート舗装 | たわみ性舗装(アスファルト)/剛性舗装(コンクリート) |
| 舗装構成 | 表層・基層・上層路盤・下層路盤・路床 | 上層ほど良質・高強度の材料、荷重は下方へ分散 |
| 下地処理 | プライムコート/タックコート | プライム=路盤上面、タック=層相互の接着(いずれもアスファルト乳剤) |
| 締固め手順 | 継目→初転圧→二次転圧→仕上げ転圧 | 高温のうちに締め固める。初転圧はロードローラが一般的 |
| 配合設計 | マーシャル安定度試験 | アスファルト混合物の配合(最適アスファルト量等)を決める |
| コンクリート舗装 | 目地(収縮・膨張・施工)、曲げ強度 | ひび割れ制御に目地、設計は曲げ強度、養生期間が必要 |
| 補修工法 | オーバーレイ/打換え/パッチング/切削 | 局部補修~構造の作り直しまで、損傷程度で使い分け |
| 品質管理項目 | 締固め度・平たん性・すべり抵抗・温度 | 混合物の品質と舗設後の出来形・性能の両面で管理 |
※路床の設計CBR、締固め度の規格値、各種試験の判定基準といった具体的な数値・基準は、出題年度や適用する仕様書によって異なる場合があります。学習の際は最新の法令・舗装施工に関する基準類でご確認ください。
図解:アスファルト舗装の断面構成
舗装の各層と荷重の伝わり方をイメージで押さえておきましょう。上層ほど大きな荷重を受け、下方へ向かって荷重が分散していきます。
上図のように、舗装は「表層・基層」(瀝青層)、「上層路盤・下層路盤」、そして最下部の「路床」で構成されます。上層ほど良質な材料を用い、輪荷重を下方へ分散させて路床への応力を小さくするのが基本的な考え方です。
まとめ
道路・舗装分野は、各層の役割と材料、コートの使い分け、締固めの手順と温度管理、コンクリート舗装の特徴、補修工法の選定、そして品質管理項目という主要論点を体系的に押さえれば、得点源にしやすい分野です。特に「プライムとタックの入れ替え」「締固めは高温のうちに」「コンクリート舗装は養生が必要」「切削工法は局部補修にも使う」といった、選択肢で正誤を逆転させる典型的なひっかけに注意してください。本記事の予想問題と表で全体像をつかんだうえで、具体的な数値・基準は最新の仕様書で確認しながら知識を固め、本試験に臨みましょう。


