【1級土木施工管理技士 第一次検定】土工のよく出る問題と徹底解説【2026年度版】

【1級土木施工管理技士 第一次検定】土工のよく出る問題と徹底解説【2026年度版】
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1級土木施工管理技士 第一次検定における「土工」は、毎年安定して出題される最重要分野のひとつです。土質調査の手法、土量変化率を用いた配分計算、盛土・切土の施工、締固め管理、法面(のりめん)保護工、そして建設機械の選定まで、出題テーマは多岐にわたります。なかでも「土量変化率(L・C)」を使った数量計算や、締固め管理の指標は、数値の意味を正しく理解していないと得点しづらい論点です。本記事では、本試験の頻出形式に合わせて自作したオリジナル予想問題6問と、つまずきやすいポイントの徹底解説をお届けします。暗記だけでなく「なぜそうなるのか」を押さえることが、応用問題への対応力につながります。

目次

頻出テーマ早わかり

まずは土工分野で問われやすい主要論点と、その要点を一覧で整理します。学習の全体像をつかんでから個別問題に取り組むと、知識が体系的に定着します。

テーマ要点・押さえどころ
土質調査標準貫入試験(N値)、平板載荷試験、コーン貫入試験、含水比・粒度試験など。何を測る試験かを区別する。
土量変化率L=ほぐした土量/地山土量、C=締固めた土量/地山土量。地山を基準に換算する考え方が基本。
盛土と切土盛土は薄層まきだし・締固めの繰返し、切土は安定勾配の確保。施工の手順と留意点を整理。
締固め最適含水比・最大乾燥密度(締固め曲線)、品質規定方式と工法規定方式の違い。
法面保護工植生工(侵食防止)と構造物工(安定確保)の使い分け。目的に応じた工種選定。
建設機械の選定運搬距離・土質・作業量に応じた機種選定。トラフィカビリティ(コーン指数)との関係。

予想問題(オリジナル四肢択一)全6問

ここからは本試験を想定したオリジナル問題です。まずは自力で解いてから解説を読み、誤った選択肢が「なぜ誤りなのか」まで確認してください。

問1:土質調査(原位置試験)

土の原位置試験に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • (1) 標準貫入試験は、サンプラーの打込みに要する打撃回数(N値)から地盤の硬さや締まり具合を推定する試験である。
  • (2) 平板載荷試験は、載荷板に荷重を加えて沈下量との関係から地盤の支持力や変形特性を調べる試験である。
  • (3) ポータブルコーン貫入試験は、コーンを地中に貫入させてコーン指数を求め、建設機械のトラフィカビリティの判定などに用いられる。
  • (4) 含水比試験は、土を構成する土粒子の粒径ごとの割合を調べ、土の分類に用いる原位置試験である。

正解:(4)

解説:(4)が誤りです。含水比試験は、土に含まれる水の質量と土粒子(乾燥土)の質量の比を求める試験であり、粒径ごとの割合を調べるのは「粒度試験(ふるい分析・沈降分析)」です。両者は別の試験です。また含水比試験は採取した試料を室内で測定する室内試験に分類され、原位置試験ではありません。この点でも(4)の記述は適当ではありません。(1)の標準貫入試験はN値を求める代表的な原位置試験で正しい記述です。(2)の平板載荷試験は地盤の支持力・変形特性を評価する試験で正しい説明です。(3)のポータブルコーン貫入試験はコーン指数を求め、軟弱地盤上での建設機械の走行可能性(トラフィカビリティ)判定に用いられるため正しい記述です。

問2:土量変化率の基本

土量変化率に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • (1) ほぐし率Lは「締固めた土量÷地山の土量」で表され、一般に1より小さい値となる。
  • (2) 締固め率Cは「ほぐした土量÷地山の土量」で表され、一般に1より大きい値となる。
  • (3) 土量変化率は地山の土量を基準(1.0)として、ほぐした土量・締固めた土量の比率を表したものである。
  • (4) 同じ土質であれば、ほぐし率Lと締固め率Cは常に等しい値になる。

正解:(3)

解説:(3)が正しい記述です。土量変化率は地山(自然状態)の土量を基準の1.0として、ほぐした状態(運搬時の状態)と締固めた状態(盛土完成時の状態)の体積比を表します。
(1)は定義が逆で誤りです。ほぐし率Lは「ほぐした土量÷地山の土量」であり、土をほぐすと体積が増えるため一般に1より大きくなります。
(2)も定義が逆で誤りです。締固め率Cは「締固めた土量÷地山の土量」であり、締め固めると地山より体積が小さくなることが多いため、一般に1以下となります。
(4)は誤りです。LとCはそれぞれ異なる状態を表す係数で、土質によって値も異なり、常に等しくなることはありません。
整理すると、L=ほぐした土量/地山土量(一般にL≧1)、C=締固めた土量/地山土量(一般にC≦1)です。配分計算では「まず地山土量に換算してから目的の状態へ換算する」という流れが基本になります。

問3:土量計算(運搬土量の算定)

ある盛土工事において、締め固めた状態で4,500m³の盛土が必要である。この土のほぐし率L=1.20、締固め率C=0.90とするとき、運搬すべき土量(ほぐした土量)として最も近いものはどれか。

  • (1) 約4,050m³
  • (2) 約5,400m³
  • (3) 約6,000m³
  • (4) 約7,200m³

正解:(3)

解説:(3)の約6,000m³が正解です。考え方は「締固め土量 → 地山土量 → ほぐした土量」の順で換算します。
まず、必要な締固め土量4,500m³を地山土量に戻します。C=締固め土量/地山土量より、地山土量=締固め土量÷C=4,500÷0.90=5,000m³。
次に、地山土量をほぐした(運搬する)土量に換算します。L=ほぐした土量/地山土量より、ほぐした土量=地山土量×L=5,000×1.20=6,000m³。
したがって運搬すべき土量は約6,000m³です。
誤答の確認として、(2)の5,400m³は締固め土量4,500m³に直接Lを掛けた値(4,500×1.20)で、地山に換算する手順を飛ばした典型的な誤りです。(1)はCを掛けてしまった誤り、(4)はLとCを取り違えた場合に出る値です。計算問題では「必ず地山土量を経由する」ことを徹底しましょう。

問4:盛土の施工

盛土の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • (1) 盛土材料は、まきだし厚さを適切に管理し、薄層に敷きならして締め固めることが品質確保の基本である。
  • (2) 盛土の締固めは、土の含水比が最適含水比付近にあるときに最も効率よく所要の密度が得られやすい。
  • (3) 軟弱地盤上に盛土する場合は、沈下や安定を考慮し、必要に応じて地盤改良や段階的な盛土などの対策を検討する。
  • (4) まきだし厚さを厚くするほど締固め機械の影響が深部まで均一に及ぶため、一層を厚く施工するほど締固め効率は高くなる。

正解:(4)

解説:(4)が誤りです。まきだし厚さを厚くしすぎると、締固め機械のエネルギーが層の深部まで十分に伝わらず、下層の締固めが不足してしまいます。そのため一層のまきだし厚さは薄く管理し、敷きならし→締固めを繰り返すのが盛土の基本です。「厚いほど効率が高くなる」という記述は施工の原則に反します。
(1)は薄層施工の原則を述べたもので正しい記述です。(2)は締固め曲線の考え方どおりで、最適含水比付近で最大乾燥密度が得られやすいため正しい説明です。(3)は軟弱地盤対策の一般的な考え方で、沈下・安定への配慮として正しい記述です。具体的な許容まきだし厚さや管理基準値は、対象工事の仕様書や最新の基準でご確認ください。

問5:締固めの品質管理

盛土の締固め管理に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • (1) 品質規定方式は、締固め後の土の乾燥密度や強度などの品質を直接規定して管理する方式である。
  • (2) 工法規定方式は、完成後の盛土の乾燥密度のみを規定し、施工方法は問わない方式である。
  • (3) 締固め曲線において、含水比が高いほど常に乾燥密度は大きくなる。
  • (4) 最適含水比とは、最小の乾燥密度が得られるときの含水比のことである。

正解:(1)

解説:(1)が正しい記述です。品質規定方式は、締固め後に求められる乾燥密度・締固め度・強度・変形特性などの「結果としての品質」を規定し、それを満たすように管理する方式です。
(2)は誤りです。工法規定方式は、使用する締固め機械の種類・まきだし厚さ・転圧回数など「施工方法(工法)」を規定して管理する方式であり、「乾燥密度のみを規定し施工方法は問わない」というのは品質規定方式と工法規定方式を取り違えた説明です。
(3)は誤りです。締固め曲線は上に凸の形を描き、最適含水比で乾燥密度が最大となります。含水比が最適値を超えて高くなると、かえって乾燥密度は低下します。「含水比が高いほど常に密度が大きくなる」わけではありません。
(4)は誤りです。最適含水比は「最大乾燥密度が得られるとき」の含水比であり、最小ではありません。締固め曲線の頂点に対応する含水比が最適含水比です。

問6:法面保護工と建設機械の選定

法面保護工および建設機械の選定に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • (1) 植生工は、植物の生育によって法面の表層の侵食を防止し、緑化による景観面の効果も期待できる工法である。
  • (2) 法面の安定性が植生だけでは確保できない場合には、吹付工やブロック張工などの構造物による法面保護工が用いられる。
  • (3) 建設機械の選定では、運搬距離・土質・作業量などを考慮し、軟弱地盤ではトラフィカビリティ(コーン指数)も判断材料となる。
  • (4) ブルドーザは長距離の土砂運搬に最も適した機械であり、運搬距離が長くなるほど他機種より経済的になる。

正解:(4)

解説:(4)が誤りです。ブルドーザは掘削・押土(短距離の土砂移動)に適した機械であり、運搬距離が長くなるとダンプトラックなどの運搬機械と比べて非効率になります。一般に、運搬距離が長い場合はショベル系掘削機+ダンプトラックの組合せなどが選定され、ブルドーザが「長距離運搬に最も適し、長いほど経済的」という記述は誤りです。
(1)の植生工は表層侵食防止と緑化が目的で正しい記述です。(2)は植生だけで安定が確保できない箇所に構造物工を用いるという考え方どおりで正しい説明です。(3)は機械選定の一般的な考慮要素で、軟弱地盤での走行性をコーン指数で判断する点も正しい記述です。法面保護工は「侵食防止が主目的の植生工」と「安定確保が主目的の構造物工」を、目的に応じて使い分けるのが基本です。

暗記ポイント・まとめ表

試験直前の確認用に、混同しやすい用語・分類を表で整理します。定義や対応関係を逆に覚えていないか、最終チェックに活用してください。

用語・分類意味・対応関係
ほぐし率 Lほぐした土量 ÷ 地山土量(一般に L ≧ 1:ほぐすと増える)
締固め率 C締固めた土量 ÷ 地山土量(一般に C ≦ 1:締めると減る)
土量換算の基本必ず「地山土量」を基準に経由して換算する
最適含水比最大乾燥密度が得られるときの含水比(締固め曲線の頂点)
品質規定方式乾燥密度・締固め度・強度など「結果の品質」を規定
工法規定方式機械・まきだし厚・転圧回数など「施工方法」を規定
植生工表層の侵食防止・緑化(法面保護)
構造物工吹付工・ブロック張工など、安定確保(法面保護)
標準貫入試験N値を求め、地盤の硬さ・締まり具合を推定
コーン貫入試験コーン指数を求め、トラフィカビリティ判定に利用

図解:土量変化率の換算イメージ

土量計算でつまずきやすい「地山を基準にした換算」の流れを図で確認します。地山土量を中心(1.0)に置き、ほぐした状態(×L)と締固めた状態(×C)に分かれる関係を視覚的に押さえましょう。

地山土量基準 = 1.0ほぐした土量運搬時の状態締固めた土量盛土完成の状態× L× C土量変化率の換算イメージL=ほぐした土量÷地山土量(一般にL≧1)C=締固めた土量÷地山土量(一般にC≦1)

まとめ

土工分野は、土質調査の試験の区別、土量変化率を用いた計算、盛土・締固めの施工原則、法面保護工と建設機械の選定など、押さえるべき論点が明確です。特に土量計算は「必ず地山土量を経由して換算する」という基本さえ徹底すれば、確実に得点源にできます。締固めでは最適含水比と最大乾燥密度の関係、品質規定方式と工法規定方式の違いを取り違えないことが重要です。本記事の予想問題で出題形式に慣れ、誤答の選択肢がなぜ誤りなのかを説明できるレベルまで仕上げておきましょう。なお、具体的な数値・基準値・法令の条文などは改定されることがあるため、最新の法令や仕様書で必ず最終確認をしてください。繰り返し解いて、本番で確実に得点できる「保存版」の知識として定着させていきましょう。

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