【1級土木施工管理技士】施工管理法-品質管理について徹底解説!

絶対にわかる1級土木施工管理技士

品質管理の基本事項

品質管理の基本的な考え方

品質管理の目的:設計図書に記載されている規格を満たす構造物を最も経済的に施工すること

①品質特性の決定

②品質特性について品質標準の決定

③品質標準を達成するための作業標準の決定

④作業標準に従って施工を行い記録・データ採取を行う

⑤記録・データをもとに品質のばらつきや経済性を確認する

⑥修正があれば対策を考え再び計画する

①~⑥までのPDCAサイクルを意識して管理していきます。

キーワード解説

品質特性:品質管理における具体的な対象項目のこと。

  1. 工程の状態を総合的に表すもの
  2. 品質に重要な影響を及ぼすもの
  3. 測定・記録が容易なもの
  4. 真の品質特性と関係が明らかなものは代用特性を用いてもよい

品質標準:施工を行うにあたって設定する品質の目標のこと。ばらつき具合を考慮したゆとりのある標準を設定しなければいけない。

作業標準:品質標準をクリアするために具体的な施工方法や管理方法を定めたもの

工種別品質管理

レディーミクストコンクリートの品質管理

レディーミクストコンクリートにおける品質管理項目は簡単に分けると以下の4つが挙げられます。

  1. スランプ
  2. 空気量
  3. 圧縮強度試験
  4. 塩化物含有量

■スランプ試験

スランプ試験は、生コンクリートの柔らかさや流動性を測定するための試験です。

試験方法の概要

スランプコーンという金属製の円錐形の器具を使用します。

コーンに生コンクリートを3層に分けて詰め、それぞれの層を25回ずつ棒で突いて密実にします。

コーンを垂直に引き抜き、中央部のコンクリートの高さがどれだけ低くなるかを測定します。

測定された高さの差が「スランプ値」と呼ばれます。

スランプ値の意味としては

値が大きいほどコンクリートは柔らかく、流動性が高い。

値が小さいほどコンクリートは硬く、流動性が低い。

と判断することができます。

以下がスランプの許容値です。

スランプ 許容値
2.5 ±1
5または6.5 ±1.5
8以上18以下 ±2.5
21 ±1.5

■空気量

生コンクリートの空気量試験は、コンクリート内に含まれる空気の量を測定する試験で、耐久性や強度に影響を与える重要な要素です。適切な空気量を維持することで、凍結融解や収縮によるひび割れを軽減し、施工性を向上させることが期待されます。

主な試験方法

質量方法: 単位容積質量を測定し、空気量を計算します。

容積方法: 容積の差を利用して空気量を求めます。

圧力方法: 圧力減少を基に空気量を測定します。

以下は荷下ろし時点での空気量と許容値についてです。

コンクリートの種類 空気量 許容値
普通コンクリート 4.5 ±1.5
軽量コンクリート 5.0 ±1.5
舗装コンクリート 4.5 ±1.5
高強度コンクリート 4.5 ±1.5

 

■圧縮強度試験

試験方法の概要

供試体の作成: JIS A 1132に従い、供試体を作成します。供試体の寸法や作製方法が規定されています。

養生方法: 標準養生(20±2℃の水中または湿度95%以上の空気中)など、目的に応じた養生方法が定められています。

試験手順: 供試体に徐々に荷重を加え、最大荷重を測定します。圧縮強度は、最大荷重を供試体の断面積で割ることで計算されます。

判定基準: 材齢28日の強度結果が設計基準強度を満たしているかを確認します。

★圧縮強度試験に関する規定

  1. 1回の試験結果は購入者が指定した呼び強度の85%以上
  2. 3回の試験の平均値は購入者が指定した呼び強度以上
  3. 供試体の材齢は、指定のない場合は28日

■塩化物含有量

塩化物イオン総量は0.30kg/m³以下と規定されています。

購入者の承認がある場合は、0.60kg/m³以下まで許容されます。

 

盛土の品質管理

品質管理

盛土の品質管理

品質規定方式
盛土の締め固め度や含水品などの規定値を定め施工者に点的に管理させる
工程規定方式
モデル施工により決定した巻き出し厚や締め固め回数を定め施工者に面的に管理させる

GNSSを用いた盛土の締め固め施工は工程規定方式に分類されます

品質規定方式における管理について
締め固め度 砂置換法 RI計器
空気間隙率、飽和度 土の密度試験 含水比試験
強度特性 プルフローリング試験

▪︎路床、路盤の品質管理
規定について
路床盛土の1層の敷き均し厚は20cm以下
品質特性について
締め固め度 砂置換 RI計器
含水比 含水比試験
支持力 平板載荷試験 現場CBR試験

 

アスファルト舗装の品質管理

▪︎アスファルト舗装の品質管理

工程の初期
作業員や施工機械の組み合わせを速やかに把握しておく
品質管理の項目について各試験の頻度を適切に増やしておく

工程の中期
作業員や施工機械の組み合わせを変更した際は品質管理の項目について各試験の頻度を適切に増やし変更に伴う品質の変化を確認する
管理の限界を十分に満足できることが確認されれば試験の頻度を減らしていく

品質管理を図化し、管理の限界を外れていたり、どちらか一方に偏っていた場合は直ちに試験頻度を増やして異常の有無を確認する

アスファルト舗装の品質管理に用いられる試験
安定度 マーシャル安定度試験
針入度 針入度試験
平坦性 3mプロフィルメータ
たわみ量 FWD

コンクリート構造物の品質管理

▪︎コンクリート構造物の品質管理
コンクリートの構造物の非破壊検査は以下のようになります。

X線法、電磁波レーダ法、赤外線法
→コンクリート中の浮き、剥離、空隙
ひび割れの分布、鉄筋の位置、径、かぶり

電磁誘導
→コンクリート中の鉄筋の位置、径、かぶり

リバウンドハンマーによる強度測定
検査面は粗面や仕上げ層、上塗り層を避ける
隅角部やT字部から50mm以上離す

鉄筋の品質管理

鉄筋の発注及び納入は設計図書に示された、鉄筋の径、長さ、数量などを確認します。

鉄筋の加工及び組立が完了したら、コンクリートを打ち込む前に、鉄筋が堅固に結束されているか、鉄筋の交点の要所は焼なまし鉄線で緊結し、使用した焼なまし鉄線はかぶり内に残って無いか、鉄筋について鉄筋の本数、鉄筋の間隔、鉄筋の径を確認し、更に折曲げの位置、継手の位置及び継手の長さ、鉄筋相互の位置及び間隔のほか、型枠内での支持状態については設計図書に基づき所定の精度で造られているかを検査する。また、継手部を含めて、いずれの位置においても、最小のかぶりが確保されているかを確認します。

規定値について
鉄筋の中心間隔の許容誤差 ±20mm
全長に対する寸法の許容誤差 ±20mm
鉄筋の有効高さの許容誤差 設計寸法の±3%または±30mmのうち小さいほう

ガス圧接継手の外観検査の対象項目は、圧接部のふくらみの直径や長さ、圧接面のずれ、圧接部の折曲がり、圧接部における鉄筋中心軸の偏心量 、たれ・過熱、その他有害と認められる欠陥を項目とする。また、鉄筋ガス圧接部の圧接面の内部欠陥を検査する方法は超音波探傷検査である。
一方で圧接部を全数調査する外観検査がある。

超音波探傷検査で不合格となった圧接部は圧接部を切り取り、再圧接するか添筋で補強する

外観検査で不合格となった圧接部は再加熱して修正した後、再び外観検査を行う

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