【コンクリート技士】補強材について徹底解説!

補強材

補強材

コンクリートの補強材には、鉄筋コンクリート用棒鋼や丸鋼などの鉄鋼材料が使用されます。 また、繊維補強コンクリート(FRC)と呼ばれる、繊維を混ぜたコンクリートもあります。

「丸鋼」と「異形棒鋼」は、コンクリートの補強材として使用される鋼材です。JIS G 3112によって規定されており、種類によって異なる形状や寸法があります。

「丸鋼」は、その名の通り円形断面の鋼棒で、表面がツルツルしています。一方、「異形棒鋼」は、周りにリブや節が付いたデコボコな形状をしています。

「異形棒鋼」は、丸鋼に比べて製造が難しいため、技術的な進歩によって普及が遅れたとされています。しかし、異形棒鋼は丸鋼よりもコンクリートとの密着性が高く、コンクリートの強度を向上させることができます。

上:丸鋼 下:異形棒鋼

 

棒鋼・丸鋼異形棒鋼

出典:山口工業株式会社https://yamaguchi-kogyo.co.jp/products/

異形棒鋼の軸方向に連続した突起をリブと呼びます

また軸方向以外の突起(画像でいう軸方向に直角の突起)をと呼びます

丸鋼、異形棒鋼の表記について

材質の呼び名は「SD or SR ○○」と呼ばれます。○○には数字が入り、その数字はその部材の降伏点(強さ)を表します. 丸鋼には「SR235」と「SR295」の2種類があります。

「SD295」とは、異形棒鋼の一種で、コンクリートの補強材として使用される鉄筋の一種です。JIS G 3112によって規定されており、降伏点強度295N/mm2以上の鉄筋を表します。

SD295は、異形棒鋼の中でも比較的強度が高く、主に建築物や橋梁、道路などの公共事業に使用されます。

「SR」と「SD」は、鉄筋の種類を表す記号の一部です。最初の記号「S」は鋼(Steel)を示し、2番目のRは丸鋼(Round)、Dは異形棒鋼(Deformed)を示しています。

記号 降伏点または耐力(N/m2) 引張強さ(N/m2)
SR235 235以上 380~520
SR295 295以上 440~600
SD295A 295以上 440~600
SD295B 295~390 440以上
SD345 345~440 490以上
SD390 390~510 560以上
SD490 490~620 620以上

ここで「鉄筋の降伏点」とは、鉄筋に力が加わった際に変形が生じて、元の形に戻らなくなる応力の数値を指します。降伏点の値であって、引張強さではないことに注意しましょう 鉄筋の降伏点は、JIS G 3112によって規定されており、鉄筋の種類によって異なる降伏点が設定されています。

「鉄筋の引張強さ」とは、鉄筋に引っ張り力を加えた際に、破断するまでに生じる最大応力のことです。

「SD295A」と「SD295B」の違いは、下位降伏点の規定にあります。SD295Aは下位降伏点の下限値が定められているのに対し、SD295Bはその範囲が規定されています。下限値が同じてSD295Aと区別するためにAとBで表記で区別しています。

(SD295A、SD295Bと規格されていましたが、SD295Bが廃止となり、SD295AはSD295と名称が変更になりました。)

鉄筋の基本的特徴

★鉄筋の弾性係数(ヤング係数:グラフでいう弾性域の傾き)は鉄筋の種類(降伏点)に依らずほとんど同等である(200kN/mm2程度)

鉄筋の熱膨張係数は、約1.0×10^(-5)です。この値はコンクリートの熱膨張係数と等しいことで知られています。

鉄筋とコンクリートの付着強度は、鉄筋の形状や径、コンクリートの強度によって異なるが降伏点とは無関係です。

鉄筋の炭素含有量が多いほど鉄筋の硬さが増し強度が向上する。また破断時の伸びも少ない。

PC鋼材の基本的特徴

「PC鋼材」とは、プレストレストコンクリート(Prestressed Concrete)に用いられる高性能・高品質の緊張材です。PC鋼材は、大きい引張強さを有し、リラクセーションが小さいことが特徴です。

PC鋼材は、丸線と異形線に分類されます。異形線は、表面に突起がついた鉄筋材料で、主にコンクリートの補強用に使われます。

コンクリート短繊維の基本的特徴

「コンクリート用短繊維」とは、コンクリートの補強材として使用される繊維のことです。コンクリートに繊維を混ぜることで、ひび割れに対する抵抗性、曲げ強度、せん断強度ならびに耐衝撃性などを大幅に改善することができます。コンクリート用短繊維には、鋼繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリプロビレン繊維などがあります。

繊維を投入し、同スランプを得たいときは細骨材と単位水量が大きくなる。

火災時、ポリプロビレン繊維を投入したコンクリートでは、高温化で繊維が気化することでコンクリート中に空隙が形成され、水蒸気がその空隙に逃げることで蒸気圧が抑制され爆発がしにくくなる。

補強材の応力-ひずみ曲線

一般的に鋼材の弾性係数(ヤング係数:グラフでいう弾性域の傾き)は鋼材の種類(降伏点)に依らずほとんど同等である(200kN/mm2程度)。

また強度が高いほど破断時の伸びは小さいことがわかる。

PC鋼材は鉄筋に比べ強度は高いが明確な降伏棚が表れないことが特徴である。

炭素繊維補強材では破断までほとんど直線的な挙動をすることが特徴である。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました