【コンクリート技士】練り混ぜ水について徹底解説!

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練り混ぜ水

「練り混ぜ水」とは、コンクリートの製造において使用される水のことです。練り混ぜ水は、水和反応・混和剤の効果発現などを起こすために必要不可欠な構成材料です。練り混ぜ水には、上水道水、上水道以外の水、回収水が使用されます。

上水道水は、人が飲めるように整備されているため、コンクリートの練り混ぜ水として活用することができます。練り混ぜ水の大半はこの上水道水が使われています。

上水道以外の水は、河川水・地下水・工業用水などの水が該当します。

回収水は、生コン工場で洗浄によって発生する排水から処理してできる「スラッジ水」・「上澄水」のことです。ただし、回収水の中には、スラッジ水と上澄水の2種類があります。スラッジ水はスラッジ固形分を含む水で、上澄水はセメントから溶出する水酸化カルシウム等を含むアルカリ性の高い水です

上水道以外の水と回収水の品質規定

上水道以外の水と回収水には、JISで以下のように品質規定があります

【上水道以外の水】

懸濁物質の量:2g/L以下
溶解性蒸発残留物の量:1g/L以下
塩化物イオン量:200ppm以下
セメントの凝結時間の差:始発30分以内・終結60分以内
モルタルの圧縮強さの比:材齢7日・材齢28日で90%以上

【回収水】

塩化物イオン量:200ppm以下
セメントの凝結時間の差:始発30分以内・終結60分以内
モルタルの圧縮強さの比:材齢7日・材齢28日で90%以上

コンクリート工場では、「上水道以外の水・回収水」を使用する場合には、年1回以上の品質確認が義務付けられています。

回収水を練り混ぜ水として使用する際の注意事項

回収水を使用する場合には、以下の注意事項があります

 (1) 上澄水は、練混ぜ水として上水と同様に使用してよい。

 (2) 水セメント比、コンシステンシーを一定とするためには、スラッジ固形分率1%につき単位水量、単位セメントをそれぞれ1~1.5%増す。

 (3) 細骨材率は、スラッジ固形分1%につき約0.5%減とする。

 (4) 空気量が減少する傾向にあるためAE剤や空気量調整剤量を調整する。

(引用:日本コンクリート工学会)https://www.jci-net.or.jp/j/concrete/kiso/RecoveredWater.html

またスラッジ固形分率の限度に関する規定、適応できないコンクリートの規定もあり、JIS A 5308「レディーミクストコンクリート」附属書3の回収水の品質規準によると以下の記載があります。

スラッジ水を使用する場合、スラッジ固形分率は3 %(レディーミクストコンクリートの配合における単位セメント量に対するスラッジ固形分の質量)を超えてはならない。

なお、JASS 5では計画供用期間が“長期”の級のコンクリートおよび高強度コンクリートでは回収水を使用しないよう定めている。

(引用:日本コンクリート工学会)https://www.jci-net.or.jp/j/concrete/kiso/RecoveredWater.html

また同付属書にて

・スラッジ固形分率を1%未満で使用する場合はスラッジ固形分を水の質量に含めてもよい

・2種類以上の水を混合して用いる場合はそれぞれの品質規定に適合していなければならない

としている

 

★補足★

スラッジ固形分率についての図解

 

品質試験

懸濁物質の量
溶解性蒸発残留物の量
塩化物イオン量
セメントの凝結時間の差
モルタルの圧縮強さの比

を品質試験によって求めます(試験内容の詳細はJIS A 5308「レディーミクストコンクリート」附属書3の回収水の品質規準を参照ください)

ここではコンクリート技士で出題歴のある個所を狙いうちして紹介します。

Q、品質試験に用いる基準水として蒸留水等の精製した水のみでなく上水道も用いることができる(〇or×)  答え 〇

 

品質試験に用いる基準水は「蒸留水、イオン交換樹脂で精製した水又は上水道」と規定されている

Q、上澄み水を中和処理せずそのまま品質試験に使用した (〇or×)  答え 〇

試験用水は試料瓶に満たし、上面に空気がない状態にして清浄な栓で密封しておき、採取後7日以内に試験を行う。→中和処理に関しての言及はない

 

 

 

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