【コンクリート技士】レディーミクストコンクリートの品質管理について徹底解説!

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レディーミクストコンクリートの品質管理

レディーミクストコンクリートの品質管理項目

  1. 強度
  2. スランプ又はスランプフロー
  3. 空気量
  4. 塩化物含有量

強度

強度試験の供試体について、購入者の指定がない場合は28日とします。

1回の試験結果は呼び強度の85%以上でなければならない

3回の試験結果の平均値は指定された呼び強度以上でなければならない

試験頻度:普通コンクリート、軽量コンクリート、舗装コンクリートで150m3につき1回 高強度コンクリートにおいては100m3に1回を標準とする。

また1回の試験結果は任意の生コン車1台から採取した3つの供試体の平均値で表す

例)以下は呼び強度24のコンクリートに対する試験結果です

番号 圧縮強度(N/mm2)
29.5 22.3 21.7
30.3 20.1 26.4

1回の試験結果は呼び強度の85%以上でなければならない

3回の試験結果の平均値は指定された呼び強度以上でなければならない

この2条件を満たしているか確認します。

24(N/mm2)×0.85=20.4(N/mm2)なので①はすべての試験結果が20.4以上でOKですが、②は20.1(N/mm2)が満たしていないためNGです。

次に3回の試験結果の平均値を見ます。①の平均値は24.5(N/mm2)となりOKです。②の平均値は25.6(N/mm2)となりOKですが、1回の試験結果が呼び強度の85%以上ではないため試験結果として不合格の判定となります。

スランプ又はスランプフロー

以下にスランプの規定値を示します。

スランプ 許容値
2.5 ±1
5,6.5 ±1.5
8~18 ±2.5
21 ±1.5※

※呼び強度27以上で高性能AE減水剤を用いる場合は±2

以下にスランプフローの規定値を示します。

スランプフロー 許容値
40、50、55 ±7.5
60 ±10

試験の結果、規定値から外れた場合は1回に限り再試験を行い適応すれば合格となります。

空気量

以下に空気量の規定値を示します。

コンクリートの種類 空気量% 許容値%
普通 4.5 ±1.5
軽量コンクリート 5
舗装コンクリート 4.5
高強度コンクリート 4.5

軽量コンクリートのみ基準の空気量を5.0%としています。軽量コンクリートは空隙の多い軽量の人工骨材を用いるため耐凍害性を担保するためAE剤の添付を基本としています。そのため規定される空気量も5.0%としています。

試験の結果、規定値から外れた場合は1回に限り再試験を行い適応すれば合格となります。

塩化物含有量

塩化物含有量の規定は塩化物イオンの量0.30㎏/m3以下としています。

ただし購入者の承認を受けた場合は0.6kg/m3以下とすることができます。

試験方法はJIS1144で規定されている「フレッシュコンクリート中の水の塩化物イオン濃度試験方法」又は精度の確認された塩化物含有量測定器具によって行われますが、実際現場で行われる試験は精度の確認された塩化物含有量測定器具によるものがほとんどです。

また塩化物含有量の検査は荷下ろし地点でも出荷地点でも行うことができます。

材料の規定

◆セメント

コンクリートに用いるセメントは以下の規格に適合するものを用いることとする

JIS R 5210「ポルトランドセメント」
JIS R 5211「高炉セメント」
JIS R 5212「シリカセメント」
JIS R 5213「フライアッシュセメント」
JIS R 5214「エコセメント」

ただしJIS R 5214「エコセメント」に関して、塩化物イオンの含有量が多いことから普通エコセメントは高強度コンクリートには用いることができないことに注意する。

セメントの詳しい品質規定についてはこちら!

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◆骨材

JISに規格される骨材の種類は以下の通りです

  1. 砕石及び砕砂
  2. スラグ骨材
  3. 人工軽量骨材
  4. 再生骨材H
  5. 砂利及び砂

スラグ骨材にはフェロニッケルスラグ骨材、銅スラグ骨材、電気炉酸化スラグ骨材等があります。またスラグ骨材は高強度コンクリートには使用できません

各種スラグ骨材についてはこちら!

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またそれぞれに規定されたアルカリシリカ反応抑制対策を講じなければなりません。

◆水

上水道以外の水と回収水には、JISで以下のように品質規定があります

【上水道以外の水】

懸濁物質の量:2g/L以下
溶解性蒸発残留物の量:1g/L以下
塩化物イオン量:200ppm以下
セメントの凝結時間の差:始発30分以内・終結60分以内
モルタルの圧縮強さの比:材齢7日・材齢28日で90%以上

【回収水】

塩化物イオン量:200ppm以下
セメントの凝結時間の差:始発30分以内・終結60分以内
モルタルの圧縮強さの比:材齢7日・材齢28日で90%以上

コンクリート工場では、「上水道以外の水・回収水」を使用する場合には、年1回以上の品質確認が義務付けられています。

水の詳しい品質規定についてはこちら!

【コンクリート技士】練り混ぜ水について徹底解説! | 絶対わかる土木施工管理の森 (wakaru-civilengineering.com)

レディーミクストコンクリートの製造

製造設備

◆セメントの貯蔵設備について

セメントの貯蔵設備は生産者又は種類別に区別され、セメントの風化を防止できるものでなくてはならない。

◆骨材の貯蔵設備について

骨材の貯蔵設備は生産者又は種類別に区別され、レディーミクストコンクリートの最大出荷量の1日分以上に相当する骨材を貯蔵できるものでなくてはなりません。

また人工軽量骨材を貯蔵する場合、人工軽量骨材は空隙が多く、骨材内部まで水を吸水させるためのプレウェッティングが大切になってくるため散水する設備を備えていなければいけません。

高強度コンクリートの製造に用いる骨材を貯蔵する場合、高強度コンクリートは表面水率の影響を強く受けるため、雨を防げるような上屋を設置しなければいけません。

◆ミキサー

ミキサーの要求性能を確認するための試料となるコンクリートの規定

粗骨材の最大寸法20mm 又は25mm 、スランプ8±3cm、空気量4.5±1.5% 呼び強度24

また試験した値が次の規定を満足していることを確認します。

コンクリート中のモルタルの単位容積質量の差:0.8%

コンクリート中の単位粗骨材量の差:5%

またこの試験値から練り混ぜ時間を決定します。

 

 

材料の計量

セメント、骨材、水、混和材料は別々の計量器で計測しなければなりません。

しかし水に限っては、あらかじめ計測してある混和剤と一緒に計量することが可能です。

セメントと骨材、混和材の計量は質量で行います(粗骨材と細骨材は一緒に計測してもOKになります)。 また水と混和剤の計量は質量又は容積で行います。

混和材は購入者の承認があれば袋の数で計量することが可能です。ただし1袋未満であれば必ず質量で計量します。

計量値の差は以下のように算出します。

m0=(m2-m1)/m1 ×100 (m1:設定した計量分、m2:実際の計量分)

以下に許容値を示します。

材料 許容差
セメント ±1
骨材 ±3
±1
混和剤 ±3
混和材 ±2※

※高炉スラグ微粉末は±1%とする

運搬

運搬時間の定義:練り混ぜを開始してから運搬車が荷下ろし地点に到着するまでの時間

運搬時間は原則1.5時間。※ただし購入者と協議のうえ変更可能

アジテータ車は練り混ぜたコンクリートを均一に保持し、材料分離を起こさせないようにすることが求められています。

またアジテータ車の規定として、排出時にコンクリートの1/4、3/4のとき試料を採取してスランプ試験を行い、その2つの差が3cm以内でなければなりません。

舗装コンクリートを運搬する際のダンプトラックに関する規定:ダンプトラックはスランプ2.5cmの舗装コンクリートを運搬する場合に限り使用できる。また運搬時間は1時間以内とする。

回収骨材

回収骨材とは現場で余った戻りコンクリートや、運搬車やミキサー車に付着したコンクリートを洗浄し粗骨材と細骨材に分けたものをいいます。

回収骨材は普通コンクリート、舗装コンクリート、高強度コンクリートから回収した骨材を用いることと規定されています。また不純物混入を防止するため、回収骨材の微粒紛量が新骨材(新たに投入する新品の骨材)の微粒紛量を超えてはいけません。

また軽量コンクリート及び高強度コンクリートには回収骨材を使用できません。

回収骨材の置換率の上限は5%としていますが、専用の設備で貯蔵、運搬、計量している場合は上限を20%にすることができます。

整理した図を以下に示します。

アジテータ車に付着したモルタル

アジテータ車に付着したモルタルについて、普通コンクリートに限っては、コンクリートを全量排出したのちアジテータ車のドラムの中に付着しているモルタルを安定剤を用いたうえで使用してよいことになっています。

しかし、軽量コンクリート、舗装コンクリート、高強度コンクリートにおいては付着モルタルの再利用は禁止です。

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